【進撃の巨人】遺伝の法則からユミルの民を考察してみた
先日、マーレ人の一部はエルディア人の血が混じっていて巨人化できる説を考察しました。
【進撃の巨人】マーレ人の一部は巨人化できる説 - 工学部の暇つぶし
※この記事は少し考察不足なので、今度また新しい記事を書こうと思っています。
※27日に更新しました!↓
【進撃の巨人】1700年間の民族浄化についての考察 - 工学部の暇つぶし
この記事でも紹介していますし、94話からも分かるのですが、エルディア人と他民族のハーフは巨人化ができます。ライナーがこれに当てはまります。
では、このことを生物で習う「遺伝の法則」に基づいて考えてみましょう。
遺伝の法則とは?
遺伝の法則(メンデルの法則)は、遺伝学の初期段階とも言える法則で、オーストリア人のメンデルによって報告されました。
メンデルはエンドウを使って実験を行いました。得られた結果と法則を簡単に説明しましょう。(知ってる人はとばしてください)
代々背の高いエンドウと背の低いエンドウ(この2種類を、第1世代と呼ぶ)同士で受粉させてできた種子を植えると、全て背の高いエンドウが育った(このときできた背の高いエンドウを第2世代と呼ぶ)。第2世代のエンドウ同士で受粉させてできた種子を植えると、背の高いエンドウと背の低いエンドウの比率が3:1になった。
通常の生物は2個で1組の遺伝子を持っています。そして、この遺伝子によって特徴(形質という)が決まります。
遺伝子によって決まるのは背の高さだけではありません。種子の色や形状なども異なります。
しかし、今回は簡単のため、エンドウの背の高さについてのみの解説とします。
1組になっている2つの遺伝子には、それぞれ背を高くする遺伝子か背を低くする遺伝子が含まれています。メンデルの行った実験における第1世代の背の高いエンドウは、2つの遺伝子どちらにも背を高くする情報が書き込まれています。逆に、背の低いエンドウには2つの遺伝子どちらにも背を低くする情報が書き込まれています。背を高くする情報をA、背を低くする情報をaとしましょう。
生物は2個で1組の遺伝子を持っているので、背の高さの情報について言えば、第1世代の背の高いエンドウはAA、背の低いエンドウはaaを持っていることになります。
子は、両親の遺伝子を片方の親の2個の遺伝子のうち1個、もう片方の親の2個の遺伝子のうち1個を受け継ぎます。
先程説明した実験で言えば、第2世代はAAの親とaaの親から1つずつの遺伝子を受け継ぐので、Aが書き込まれた遺伝子とaが書き込まれた遺伝子の組を持っていることになります。
つまり、背の高さの情報について言えば、Aaとなります。
しかし、実験では第2世代のすべてのエンドウが背が高いという結果になりました。
これは、Aとaの2個の情報を持っている場合、どちらか一方のみが現れ、両方の情報が混ざったりすることはありません。また、このとき現れる特徴(形質)は決まっていて、これを優性と言います。今回では、背の高い情報と背の低い情報を合わせ持ったエンドウすべてが背が高かったので、背が高い方が優勢ということです。逆に、背が低いことのように、特徴(形質)に反映されない方を劣性と言います。
第3世代については、文章では説明しにくいので図を使います。
※手書きなので汚いです!ごめんなさい!
両方の親からAが書かれた遺伝子を引き継いだ場合、子はAAになります。
一方の親からA、もう一方からaが書かれた遺伝子を引き継いだ場合、子はAaになります。
両方の親からaが書かれた遺伝子を引き継いだ場合、子はaaになります。
この中で背が低くなるのはaaのみ(Aaは優性のAによって背が高くなる)なので、背の高いエンドウと背の低いエンドウの比率は3:1になります。(AA:Aa:aaは1:2:1)
以上で遺伝の法則の説明を終わります。
次に、この法則を用いてユミルの民について考えていきましょう。
純血のエルディア人は巨人化ができますから、2つの遺伝子両方に巨人化ができる情報Aが書き込まれています。他民族の代表としてマーレ人を使います。純血のマーレ人はおそらく巨人化ができませんから2つの遺伝子両方に巨人化ができない情報aが書き込まれています。
88話「進撃の巨人」で明らかなように、マーレは血液検査によってマーレ人とエルディア人を判別しています。おそらく、aaの遺伝情報を持つ人間がマーレ人として認められるのでしょう。(こないだの記事と言ってることが違いますが、今回の考察はあくまで遺伝の法則に基づくと仮定した場合の考察です。)
となると、ライナーの父親はマーレ人と言われているのでaaです。ライナーの母親、カリナはAaかAAか分かりませんが、父親がaaの時点でライナーはAaかaaかしかあり得ません。ライナーは巨人化ができるのでAaであり、同時に巨人化ができるAが優勢であると分かります。
1700年続いたとされる民族浄化(これについても今度別の記事で考察します。)についても、他民族と子をつくり(この子はAa)、Aa同士で子をつくりaaが生まれたら殺害することを繰り返していけばAの遺伝情報を持つ人間の割合を増やしつつユミルの民を増やせるのでこれで説明ができます。
となると進撃の巨人の世界でも遺伝の法則が成り立ってるのでは?
と思ったのですが、残念ながらこの可能性は低そうです。
もし成り立ってるとしたら、マーレに住むエルディア人の中にはAaが一定数いますよね。ライナーもAaですし。となるとAaとAaのエルディア人同士が子をつくるということも起こりますし、そうなれば1/4の確率でaaが生まれてきてしまいます。つまりマーレ人です。
断定はできませんが、今までの流れからしてエルディア人からマーレ人が生まれたパターンはなさそうですよね。
かといって、AAのみをエルディア人とする場合、Aaのマーレ人は巨人化できることになります。
このように、遺伝の法則で説明しようとすると少し引っかかる部分が多いです。
実はライナーの父はマーレ人になりすましたエルディアだった可能性などもありますが(これについては今度別記事で考察予定です)、最もあり得る可能性としては、進撃の巨人の世界に固有の遺伝システムがあるパターンです。進撃の巨人には、血縁に関する色々な内容が含まれています。(アッカーマン、ユミルの民、王家など)
これらの謎については、おそらくいつか作中で明かされるでしょう!楽しみですね。
以上で考察を終わります。
今回は、遺伝の法則に基づくと仮定してユミルの民について考察しました。
遺伝の法則って面白いですよね。
人間の体で言えば、髪はくせ毛が優性で直毛が劣勢、まぶたは二重が優性で一重が劣性など、様々な形質が遺伝子の優性、劣性で決定します。
残念ながら、進撃の巨人の世界では成り立ってなさそうですが、学校で習ったことを使って漫画の世界を考察するというのはなかなか楽しいことだと思います。
このパターンの考察記事もまた書くのでよろしくお願いします。
意見、質問などあればコメントお願いします。
おわり。