【進撃の巨人】ジークの投石の威力について
マーレで戦士隊隊長を務めるジークが所有しているのが獣の巨人ですが、獣の巨人の強さと言えば、圧倒的な投球能力です。
ウォールマリアでエルヴィン元団長率いる調査兵団の新兵およそ300人による馬での突撃もたった3回の投石で壊滅させてしまいました。
(81話 約束)
中東連合との戦争でも、ジークは砲弾を戦艦に向かって投げて攻撃していました。
(92話 マーレの戦士)
最近になってようやく、軍事技術が巨人の力に追いつき始め、獣の巨人に対し砲撃で攻撃できるほどになりました(ライナーによって守られましたが)。 おそらく少し前までは遠距離戦で獣の巨人の投石に勝つ手段はなかったと考えられます。
今回は、この獣の巨人の投石攻撃の威力を物理的に考察していきたいと思います。
・投石の速さ
(79話 完全試合)
このシーンから分かるように、獣の巨人が石を投げたあたりに円形の衝撃波が出ています。
これは、 ソニックブームと呼ばれる衝撃波であり、音速を超えた時に発生します(詳しい説明は省略)。音速は気温によって変化しますが、およそ340m/sです。となると、最低でも340m/s以上の速さで投石を行なっていることになります。
次に、このシーンを見てください。
(92話 マーレの戦士)
ジークの投げた石と戦艦との距離が半分になったくらいで戦艦が砲撃を開始しています。
(92話 マーレの戦士)
そして、攻撃を受けるタイミングはほぼ同じです。となると、ジークの投げた石の速さは戦艦の砲撃のおよそ半分と言えるでしょう。
それでは、戦艦の砲弾の速さはどれくらいなのかという話ですが、 第一次世界大戦〜第二次世界大戦で使われた日本の戦艦の砲撃の初速はだいたい800m/s前後です。進撃の巨人の世界では、中東連合との戦争が行われたころの技術力は第一次世界大戦くらいだと考えられる(航空機が使われ始めた頃なので)。これらのことから、中東連合の戦艦の砲撃の初速を800m/sと仮定しますと、ジークの投石の初速は400m/sとなります。340m/sもしっかり超えているので問題ないでしょう。
また、中東連合との戦争でジークが投げた砲弾はおそらく対巨人砲徹甲弾の砲弾であり、現在でいう戦車砲の砲弾くらいだと考えられるので、重さは20kgとします。
20kgの砲弾を400m/sで投げたときの運動エネルギーは
20kg×400m/s×400m/s=3200000J
となります。時速100kmで走る自動車の運動エネルギーがおよそ
1000kg×27.8m/s×27.8m/s=772840J
なので、その約4倍のエネルギーです。
控えめに言ってマジキチです。調査兵団もたまったもんじゃありません。しかもジークは砲弾を数十個鷲掴みにしてこの速さで投げてきますから、広範囲にこの馬鹿火力で攻撃できます。
さすがに戦艦の砲撃には敵いません(運動エネルギー速さの2乗に比例するため、2倍の速さで発射される戦艦の砲弾はジークの投げた砲弾のさらに4倍のエネルギーを持っている)。
しかし、ジークの砲弾投げも戦艦を沈めるには十分な威力がありましたし、一度に広範囲を攻撃できる点で現時点ではまだ脅威だと思います。今後、技術が発達してくれば分かりませんが。
何故こんな速さで投げることができるのでしょうか。ポイントは獣の巨人の長い腕だと思います。
(35話 獣の巨人)
獣の巨人は17mくらいなので、腕だけで15mくらいあります。長すぎです。人間の腕は75cmくらいなので約20倍あります。投げる動作を円運動と仮定し、腕の角度が変わる速さ(角速度)が人間と巨人で同じとすると、手の回転する速さは(回転半径)×(角速度)なので、角速度が同じであれば獣の巨人は人間の20倍の速さで投げることができます。このように考えると400m/sで投げられるのも納得できます。
また、巨人の能力は継承した人間の能力に左右されます。ジークは「完全試合」など野球用語を使っていたので、野球の経験があり、元々優れた投球技術を持っていたと考えられます。
長い腕に優れた投球技術が揃うと、遠距離から広範囲を攻撃できるマジキチアタッカーになるわけですね。
以上で考察を終わります。いよいよ明日は95話の発売日ですね。明日以降は新情報を元にガンガン考察していきますのでよろしくお願いします。
意見、質問などあればコメントお願いします。
おわり。